玄関框(かまち)の高さは何センチがベスト?高齢者にも子どもにも優しい設計のコツ
注文住宅の間取りを考えるとき、シューズクロークや土間の広さに目が行きがちですが、毎日の使いやすさを大きく左右するのが「框(かまち)」の高さです。
框とは、玄関の土間と室内の床との間にある段差のことです。普段はあまり意識しない部分だからこそ、適当に決めてしまうと、「毎日靴を履くのがつらい」「子どもが上りづらそう」といった後悔につながりかねません。

玄関框は、見た目だけでなく、靴の脱ぎ履きや上り下りの動作まで想像して高さを決めることが大切です。
この記事では、玄関框のベストな高さと、家族みんなが快適に暮らせる選び方のコツを解説します。
一般的に使いやすい玄関框の高さは15〜20cm
玄関框の高さで迷ったとき、ひとつの目安になるのは15〜20cm前後です。この高さであれば、土間から室内へ上がるときの負担を抑えつつ、靴を履くときにもバランスのよい設計になります。
| 高さの目安 | 特徴 |
|---|---|
| 15cm前後 | 子どもや高齢者でも足を大きく上げずに上がりやすい低めの高さです。 |
| 20cm前後 | 上がりやすさと、軽く腰を掛ける感覚のバランスを取りやすい標準的な高さです。 |
一方で、25cm以上あると上り下りの負担になりやすく、10cm前後だと低すぎて、座って靴を履くときにしゃがみ込む姿勢になり、腰や膝へ負担がかかる場合があります。
覚えておきたいポイント
迷ったときは15〜20cmを基準にし、家族の年齢や靴の履き方に合わせて調整しましょう。
玄関框の高さ別に見るメリット・デメリット
框の高さごとの特徴を理解すると、自宅のライフスタイルに合った選択が見えてきます。
10cm前後の低めの框
メリット
✓ 上り下りがしやすい
✓ 空間がすっきり広く見える
✓ バリアフリーに近い
デメリット
△ 座って靴を履くときに低すぎて、姿勢がつらくなることがある
△ 大人が子どもに靴を履かせる際、深くかがむ必要がある
15〜20cmの標準的な框
メリット
✓ 上りやすさと靴の履きやすさのバランスを取りやすい
✓ 高さに迷ったときに、まず検討しやすい
デメリット
△ 大きなデメリットはありませんが、足腰に不安がある場合は手すりなどを組み合わせると、より安全です。
25cm以上の高めの框
メリット
✓ 腰を掛けやすい
✓ 玄関に重厚感や落ち着いた雰囲気が出る
デメリット
△ 膝や腰への負担が大きくなりやすい
△ 荷物を持っているときに上り下りしにくい
△ 雨で濡れたタイルから下りる際、転倒リスクが高まる
※注意:高い框にしたい場合は、間に式台を設ける方法が有効です。
- 式台
- 高い框の手前に設ける踏み台のことです。段差を分けることで、一度に大きく足を上げる負担を抑えやすくなります。
框の高さは、上りやすさと座りやすさのどちらを優先するかで、適した寸法が変わります。
家族構成・暮らし方に合わせた玄関框の選び方
「誰が、どのように玄関を使うか」を想像すると、ベストな高さや周辺に必要な工夫が自然と見えてきます。
高齢者に優しい玄関
高さの目安は15cm前後です。足を大きく上げる動作を抑えやすく、上り下りの負担軽減につながります。
立ったまま靴を脱ぎ履きすると転倒につながることがあるため、手すりとベンチをセットで計画すると安心です。
※補足:将来に備えて、手すりを取り付けるための壁下地だけでも入れておくと安心です。
子どもに優しい玄関
高さの目安は15cm前後です。子どもが自分で安全に上り下りしやすい高さとして検討できます。
幼児期には15cmでも高く感じることがあるため、一時的な踏み台を置くことも想定しておきましょう。
また、家族が並んで靴を履いたり、身支度をしたりできるように、土間の広さに余白を確保することも大切です。
ベビーカー・車いす・ペットと暮らす玄関
ベビーカーや車いす、ペットとの暮らしでは、框の高さだけでなく、玄関全体の使い方を考える必要があります。
✓ ベビーカーをそのまま置ける土間スペースを確保する
✓ ペットが滑りにくい床材を選ぶ
✓ 将来の車いすを見据えて段差を低めにする
✓ スロープを後付けできる余白を残しておく
框だけを単独で考えず、土間の広さ、床材、手すり、将来の使い方まで含めて計画しましょう。
玄関框の高さとセットで考えたい3つの注意点
框の高さが適切でも、周辺の環境が整っていなければ、玄関の使い勝手が悪くなってしまいます。
腰掛けられる場所をつくる
低めの框にする場合や、足腰への負担を減らしたい場合は、玄関ベンチや造作の腰掛けスペースを確保しましょう。
框の高さだけに座りやすさを求めず、別に腰掛けを設けることで、上り下りしやすさと靴の履きやすさを両立しやすくなります。
土間の広さに余裕を持たせる
框に座って靴を履く際、土間に靴があふれていると足を下ろせません。収納量と通路幅のバランスを考えることが重要です。
シューズクロークを広くするだけでなく、日常的に使う靴をどこへ置くか、家族が同時に出入りできるかまで想像しておきましょう。
足元を照らす照明を計画する
玄関が暗いと、段差を踏み外す原因になります。土間と室内床の境界線が分かりやすい照明計画が必要です。
おすすめの考え方
人感センサー付きの照明などを取り入れ、玄関へ入ったときに框の段差がはっきり見えるようにしましょう。
框と一緒に確認したいポイント
✓ 安全に腰掛けられる場所があるか
✓ 靴を履くための土間の余白があるか
✓ 暗い時間でも段差を確認できるか
まとめ|「動作」を想像して我が家にぴったりの高さを選ぼう
玄関框のベストな高さは、基本の目安である15〜20cmをベースにしつつ、家族の年齢やライフスタイルに合わせて微調整することが大切です。
今回のポイント
✓ 一般的に使いやすい目安は15〜20cm
✓ 低すぎると座りにくく、高すぎると上り下りの負担になる
✓ 高齢者や子どもには15cm前後を検討する
✓ ベンチ、手すり、土間の広さ、照明も一緒に考える
✓ 将来の車いすやスロープ設置も想像しておく
住宅展示場や施工事例を見る際は、ただ框を見るだけでなく、実際に「座る・靴を履く・荷物を持って上がる」という一連の動作をイメージしてみてください。
家族みんなが毎日無理なく、心地よく出入りできる玄関をつくり上げていきましょう。
玄関框は15〜20cmを目安にしながら、家族の動作と将来の暮らしに合う高さを選ぶことが大切です。
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