新聞紙からできた断熱材⁈
自然素材の断熱材とは?KIKIがセルロースファイバーを選ぶ理由
注文住宅の断熱材を調べていると、さまざまな種類の名前が出てきます。
グラスウール、ロックウール、発泡系断熱材、セルロースファイバーなど、初めて家づくりをする方にとっては、違いがわかりにくいものばかりかもしれません。
断熱材というと、断熱性能を表す数値や価格だけで選ぶものと思われがちです。
しかし、実際の家づくりでは、性能だけでなく、原料、施工方法、防音性、調湿性、間取りとの相性など、さまざまな視点から考える必要があります。
KIKIでは、自然素材で施工できる部分には、なるべく自然素材を使いたいと考えています。
その考え方から、壁や天井裏の断熱材には、新聞の古紙を主な原料としてつくられる「セルロースファイバー」を採用しています。
断熱材選びで大切なのは、どの素材が一番優れているかを比べることではなく、どのような住まいと暮らしを目指すかを明確にすることです。
今回は、セルロースファイバーとはどのような断熱材なのか、KIKIが自然素材を大切にする理由、そして注文住宅で断熱材を選ぶ際の考え方について、家づくり初心者の方にもわかりやすく解説します。
セルロースファイバーとは
セルロースファイバーは、新聞の古紙などを細かくほぐしてつくられる繊維状の断熱材です。
新聞紙として一度使用された紙を再利用しているため、資源を有効活用するという面でも注目されています。
原料の多くが木からつくられた紙であることから、自然素材を生かした断熱材のひとつとして紹介されることもあります。
施工する際は、細かくした繊維を壁の中や天井裏に吹き込み、柱や間柱の間を埋めるように施工します。
一般的な板状の断熱材とは異なり、繊維を吹き込んで施工するため、複雑な形状の部分にも入り込みやすいことが特徴です。
ただし、セルロースファイバーを採用すれば、それだけで高性能な住宅になるわけではありません。
断熱材の性能を十分に発揮するには、適切な密度で隙間なく施工することが重要です。
どの断熱材にも共通していえることですが、材料そのものの性能だけでなく、施工品質まで含めて考える必要があります。
KIKIが自然素材を大切にする理由
KIKIでは、家づくり全体を考えるうえで、自然素材をひとつの大切な基準にしています。
無垢材や自然由来の素材など、自然素材で施工できる場所には、できるだけ自然素材を取り入れたいと考えています。
それは、単に自然素材という言葉の響きがよいからではありません。
家は、完成して終わりではなく、その後何十年も家族が暮らし続ける場所です。
毎日触れる床や壁、室内の空気、温度や湿度など、住まいを構成する素材は、日々の心地よさと深く関わっています。
また、家づくりでは、表面に見える部分だけでなく、壁の中や天井裏など、完成後には見えなくなる部分にも多くの材料が使われます。
KIKIでは、そのような見えない部分についても、できる限り素材の背景や特徴を理解したうえで選びたいと考えています。
見える場所だけを自然素材にするのではなく、見えなくなる部分にも自分たちの家づくりの考え方を反映させることが、KIKIの姿勢です。
セルロースファイバーの特徴
セルロースファイバーには、断熱材としていくつかの特徴があります。
まず挙げられるのが、繊維状の素材であることです。
細かな繊維を壁の中へ充填するため、柱の周囲や配線の近くなど、細かな部分にも施工しやすいという特徴があります。
断熱性能を高めるには、断熱材の隙間や欠損をできるだけ少なくすることが重要です。
そのため、材料の種類だけでなく、どのように施工されるかまで確認しておく必要があります。
また、セルロースファイバーは、繊維の間に多くの空気を含む素材です。
断熱材は、素材の中に動きにくい空気の層をつくることで、熱が伝わりにくくなるようにしています。
さらに、繊維系の素材であることから、音を吸収しやすい特徴もあります。
外から聞こえる車の音や雨音、家の中の生活音などを完全になくすことはできませんが、壁や天井の構成と組み合わせることで、音の伝わり方をやわらげる効果が期待できます。
調湿性も、セルロースファイバーについて語られることの多い特徴です。
紙の原料となる木質繊維には、周囲の湿度に応じて湿気を吸ったり吐いたりする性質があります。
ただし、住宅全体の湿気対策は、断熱材だけで決まるものではありません。
換気計画、気密性能、防湿層、窓の性能、暮らし方なども深く関係します。
そのため、「調湿性があるから結露しない」と単純に考えるのではなく、家全体の設計と施工を合わせて考えることが大切です。
断熱材はどのようなゴールを目指すかで変わる
家づくりの相談では、
「結局、どの断熱材が一番よいですか?」
と聞かれることがあります。
しかし、断熱材にはそれぞれ異なる特徴があります。
高い断熱性能を重視したい方もいれば、自然素材をなるべく使いたい方もいます。
防音性を重視する方、限られた壁の厚さの中で性能を確保したい方、予算とのバランスを大切にしたい方もいます。
また、地域の気候、建物の形、間取り、窓の大きさ、冷暖房の方法によっても、適した考え方は変わります。
たとえば、吹き抜けや大きな窓のある間取りでは、断熱材だけでなく、窓の性能や日射対策も重要です。
平屋では、屋根や天井から受ける熱の影響を考える必要があります。
家事動線を優先して水まわりをまとめる場合も、換気や湿気対策を一緒に検討しなければなりません。
つまり、断熱材だけを切り離して選ぶのではなく、家全体の計画の中で考えることが必要です。
断熱材は商品名から選ぶのではなく、家族が求める暮らしのゴールから逆算して選ぶことが大切です。
自然素材だけで考えすぎないことも大切
KIKIでは、自然素材を大切にしています。
ただし、家のすべてを自然素材だけでつくればよいと考えているわけではありません。
家づくりでは、安全性、耐久性、断熱性能、耐震性能、施工性、メンテナンス性、予算など、多くの条件を同時に考える必要があります。
自然素材には魅力がありますが、使う場所や目的によっては、別の素材のほうが適していることもあります。
重要なのは、自然素材か人工素材かという二択だけで判断しないことです。
なぜその素材を使うのか。
どのような役割を持たせるのか。
家全体の性能や暮らし方と合っているのか。
こうした点を丁寧に確認しながら選ぶことが、後悔しない家づくりにつながります。
KIKIでは、なるべく自然素材を取り入れながらも、家全体の性能やバランスを崩さないことを大切にしています。
自然素材を使うこと自体を目的にするのではなく、心地よく、安心して長く暮らせる家をつくるための選択肢として取り入れています。
断熱材だけで住宅の快適性は決まらない
断熱材は、注文住宅の快適性を左右する大切な要素です。
しかし、住まいの暖かさや涼しさは、断熱材だけで決まるものではありません。
住宅の快適性には、次のような要素が関係します。
- 断熱材の種類と厚み
- 断熱材の施工精度
- 建物の気密性能
- 窓や玄関ドアの断熱性能
- 日当たりや日射遮蔽
- 間取りや吹き抜けの有無
- 冷暖房設備の配置
- 換気計画
- 地域の気候条件
特に窓は、熱の出入りが大きくなりやすい場所です。
壁の断熱性能を高めても、窓の性能や配置が適切でなければ、夏の暑さや冬の寒さを感じやすくなることがあります。
また、断熱材を丁寧に施工しても、建物に多くの隙間があれば、暖めた空気や冷やした空気が逃げやすくなります。
そのため、断熱と気密はセットで考える必要があります。
注文住宅の間取りを考える際も、家事動線や収納だけでなく、室温のつながりや冷暖房の効き方まで想像することが大切です。
家づくりでは素材を選んだ理由を聞く
建築会社から仕様の説明を受けるときは、素材の名前や性能値だけでなく、「なぜその素材を選んでいるのか」を聞いてみましょう。
たとえば、次のような質問があります。
- 断熱材には何を使っていますか
- なぜその断熱材を採用していますか
- 壁と天井では同じ断熱材ですか
- どのような方法で施工しますか
- 施工中に確認することはできますか
- 自然素材を使うメリットと注意点は何ですか
- 断熱性能以外にどのような特徴がありますか
こうした質問をすることで、その会社がどのようなゴールを目指して家づくりをしているのかが見えてきます。
価格を抑えることを重視するのか。
性能値を重視するのか。
素材の質感や背景を大切にするのか。
地域の気候や暮らし方に合わせるのか。
会社によって考え方は異なります。
素材の名前ではなく、選んだ理由に共感できるかどうかが、建築会社選びの大切な判断材料になります。
土地選びや住宅ローンもゴールから考える
家づくりのゴールから逆算する考え方は、断熱材だけに限りません。
土地選びや間取り、住宅ローンを考えるときにも同じことがいえます。
駅に近い土地を選ぶのか、庭の広さを優先するのか。
平屋を建てたいのか、コンパクトな2階建てにするのか。
住宅性能に予算をかけるのか、設備や内装を優先するのか。
選択肢に正解があるわけではありません。
家族がどのような暮らしをしたいのかによって、優先順位は変わります。
最初にゴールが決まっていないと、情報を集めるほど迷ってしまうことがあります。
注文住宅では、すべての希望を同時にかなえることが難しい場合もあります。
だからこそ、自分たちが大切にしたいことを整理し、優先順位を決めることが重要です。
KIKIでは、素材や性能を一方的におすすめするのではなく、ご家族の暮らし方を聞きながら、家全体の組み立てを考えています。
まとめ
KIKIでは、自然素材で施工できる部分には、なるべく自然素材を使いたいと考えています。
その考え方から、壁や天井裏には、新聞の古紙を主な原料とするセルロースファイバーを採用しています。
セルロースファイバーは、断熱性だけでなく、防音性や調湿性なども期待できる繊維系の断熱材です。
ただし、断熱材にはそれぞれ特徴があり、どの素材がすべての住宅に最適というわけではありません。
自然素材を使いたいのか。
断熱性能を優先したいのか。
防音性を高めたいのか。
予算とのバランスをどう考えるのか。
目指す家づくりのゴールによって、選ぶ断熱材は変わります。
KIKIの家づくりは、自然素材を使うことだけを目的にせず、素材、性能、間取り、暮らし方をひとつにつなげて考えることを大切にしています。
断熱材は、完成すると見えなくなる部分です。
だからこそ、何を使っているかだけでなく、なぜその素材を選んでいるのかまで確認してみてください。
家族の価値観に合った素材と建築会社を選ぶことが、納得できる注文住宅、そして後悔しない家づくりにつながります。