【カーテンレスで暮らすふたつの庭と静謐な平屋】Part 1 平屋の外構、どう考える?

 

シンプルな外観を整える外構計画|駐車場のスリットと玄関前の植栽の工夫

道路から住まいを眺めると、建物と一緒に目に入るのが、駐車場や玄関へのアプローチ、植栽などの外構です。

外壁や窓の配置をすっきりと整えていても、足元のデザインによって住まい全体の印象は変わります。

今回ご紹介するのは、シンプルな建物の外観に合わせて計画した外構です。

駐車スペースをできるだけ広く確保しながら、自転車を置く場所、コンクリートのスリット、帰宅時の照明、玄関前のもみじまで、それぞれの役割を考えています。

POINT
外構を建物とは別に考えるのではなく、住まい全体の見え方と、毎日の使い方を一緒に整えること。

今回の計画には、その考え方が表れています。

駐車スペースはできるだけ広く確保

今回のお住まいでは、建物の前をできるだけ広く使い、駐車スペースとして確保しました。

動画では、3台、停め方によっては4台まで駐車できると説明しています。

ただし、駐車できる台数と、日常的に使いやすい台数は、分けて考えておきたいところです。

一般的には、車の大きさや停め方に加え、ドアを開ける場所、人が歩く場所、道路から出入りする際の動きも使いやすさに関わります。

例えば、普段使う車と来客時の車では、求める停めやすさが異なることがあります。

毎日出し入れする車を優先するのか、来客時の台数も確保したいのか。

暮らしに合わせて整理すると、必要な駐車スペースを検討しやすくなります。

注意したいポイント

今回の「停め方によっては4台」という説明も、4台をいつでも同じように使えるという意味ではありません。

家づくりでは、台数だけでなく、実際の車と使い方を想定して計画することが大切です。

建物の左側には自転車置き場を計画

建物の左側には、自転車置き場として使うことを想定し、コンクリートを施工しています。

自転車は車に比べて小さくても、毎日使う場合には置き場所が暮らしやすさに影響します。

一般的な検討事項としては、自転車を押して移動する経路や、車を停めた状態でも出し入れできるかなどが挙げられます。

また、自転車の台数や種類が変われば、必要なスペースも変わります。

今使っている自転車だけでなく、これからの使い方も考えておくと、外構計画の際に相談しやすくなります。

今回の動画で確認できるのは、左側のコンクリート部分を自転車置き場として想定していることです。

屋根や固定用の設備については説明されていませんが、用途を決めたうえで地面の仕上げを計画している点は、家づくりの参考になります。

土間コンクリートにスリットを設ける理由

駐車場の土間コンクリートには、スリットを設けています。

動画では、コンクリートが乾くときに収縮するため、スリットを取ると説明しています。

スリットは、コンクリートの面を区切る細長い隙間のことです。

今回の外構では、コンクリートの収縮を考慮する役割と、駐車場の見た目を整える役割をあわせて考えています。

家づくりを進めていると、外構の打ち合わせでは仕上げの色や素材に目が向きやすくなります。

ただ、コンクリートをどのように区切るかも、完成したときの印象に関わる部分です。

注意したいポイント

なお、スリットを設ければひび割れを完全に防げる、という説明ではありません。

今回の動画では、収縮を考慮してスリットを設けたことを紹介しています。

実際の施工方法は、敷地や施工条件に合わせて確認する必要があります。

縦ではなく横にしたのは、窓とのバランスから

今回の計画では、スリットを縦方向に入れる案もありました。

しかし、建物の窓の位置との関係を見たときにバランスが合わず、あえて横方向に入れています。

駐車場のスリットは、地面だけを見て決めることもできます。

けれど、実際に道路から住まいを見るときには、地面と建物が同時に視界に入ります。

そこで、窓の位置も含めて検討したのが今回の工夫です。

設計のポイント
スリットの向きは、駐車場だけでなく、建物と一緒に見たときのバランスで考える。

この視点が、外観全体のまとまりにつながっています。

横方向がどの住まいにも合うということではありません。

窓の配置や建物の形、駐車場の広がり方によって、合うデザインは変わります。

今回の住まいでは、建物との関係を確認した結果として、横方向を選んでいます。

外構の図面を確認するときも、地面の模様だけを見るのではなく、正面から建物と一緒にどう見えるかを相談すると、完成後の姿を想像しやすくなります。

シンプルな建物には、外構もシンプルに

動画では、スリットをさまざまな形でデザインすることもできるけれど、建物の外観がシンプルなので、外構もそれに合わせたと説明しています。

外構には、素材を切り替えたり、線の向きを変えたりする選択肢があります。

選べることが多い分、部分ごとの好みを重ねていくと、全体の方向性が分かりにくくなることもあります。

今回の計画では、建物のシンプルな印象を基準に、駐車場のデザインを整えています。

飾りを増やすよりも、必要な場所と役割を整理し、スリットの方向まで検討している点が特徴です。

シンプルにすることと、何も考えずに省くことは異なります。

駐車スペース、自転車置き場、照明、植栽など、暮らしに必要な要素を計画しながら、外観としてのまとまりも大切にしています。

注文住宅の外構を考える際には、「何を取り入れたいか」とあわせて、「住まい全体をどのような印象にしたいか」を共有しておくと、選択の基準を持ちやすくなります。

帰宅したときの外構も考える

今回のお住まいでは、帰宅時に照明がつき、周囲を照らす計画も紹介されています。

外構は、昼間の明るい時間だけに使う場所ではありません。

仕事や買い物から帰ってきたときなど、暗くなってから玄関へ向かう場面もあります。

一般的な外構計画では、昼間の見え方と夜間の使い方の両方を確認しておくことが大切です。

例えば、車から降りて玄関へ向かう経路や、自転車を置く場所など、夜に使う場面を思い浮かべると、照明について相談したい点が整理できます。

今回の動画では、照明の点灯方式や器具の種類までは説明されていません。

そのため、人感センサーや明暗センサーなどの仕様はここでは特定しません。

紹介されているのは、帰宅したときに照明がつき、迎えてくれる外構の考え方です。

もみじは、成長後の目隠しも見据えて配置

玄関前のもみじには、外観に緑を添えることに加え、成長後に玄関の目隠しとなる役割を持たせています。

動画では、もみじがもう少し大きくなることで、玄関扉を開けたときに家の中が見えにくくなるよう計画したと説明しています。

玄関のプライバシーを考えるときには、扉を閉めた状態だけでなく、開けた瞬間の見え方も気になるところです。

今回の住まいでは、その場面を想定して植栽を配置しています。

POINT
植栽は、植えた直後の姿だけでなく、育った後にどのような役割を果たすかまで考えて選ぶことが大切です。

今回のもみじも、成長した姿を見据えた計画になっています。

一方で、木による目隠しの程度は、成長や枝葉の状態、見る方向によって変わります。

今回も、室内を完全に隠すという説明ではなく、玄関を開けたときに中が見えにくくなることを目指しています。

建物と外構を一緒に考える家づくり

今回の外構には、暮らしと外観の両方を考えた工夫があります。

できるだけ広く確保した駐車スペース、左側の自転車置き場、窓とのバランスを見て横方向に入れたスリット、帰宅時の照明、成長後の目隠しを見据えたもみじです。

それぞれは小さな判断に見えても、毎日の使い方や、道路から見た住まいの印象に関わります。

注文住宅を計画するときには、建物の間取りとあわせて、車や自転車をどこに置くのか、夜はどのように玄関へ向かうのか、扉を開けたときにどこから室内が見えるのかも考えてみてください。

Living Motif KIKIでは、三重県での家づくりにおいて、建物と外構のつながりも大切にしています。

 

暮らし方や外観のご希望を伺いながら、住まい全体として使いやすく、まとまりのある計画を考えていきます。

この事例に関するよくあるご質問

Q. 土間コンクリートにスリットを入れるのはなぜですか?

コンクリートは乾燥すると収縮するため、その動きを考慮してスリットを設けます。今回の住まいでも、収縮を考慮して駐車場のコンクリートを区切っています。スリットは外構のデザインにも関わるため、施工上の役割と見た目の両方を考えて計画します。ただし、スリットを設ければ、ひび割れを完全に防げるというわけではありません。

Q. 駐車場のスリットの向きや位置は、どう決めればよいですか?

コンクリートの区切り方に加えて、建物と一緒に見たときのバランスを考えて決めます。今回の住まいでは、縦方向に入れる案もありましたが、建物の窓の位置とのバランスを見て、横方向を選びました。駐車場の平面図だけでなく、道路側から見た建物の外観とあわせて確認すると、住まい全体にまとまりを持たせやすくなります。

Q. 駐車場は「何台停められるか」だけで決めてよいですか?

台数だけでなく、車の大きさやドアの開閉、出し入れのしやすさまで考えることが大切です。今回の住まいでは、駐車スペースをできるだけ広く確保し、3台、停め方によっては4台まで駐車できると説明しています。普段から使う台数と、来客時に必要な台数を分けて整理し、実際に使う車を想定して配置を確認するとよいでしょう。

Q. 玄関を開けたときの目隠しに、植栽は使えますか?

植栽の位置や枝葉の広がりによって、玄関を開けたときの視線を遮る方法として取り入れられます。今回の住まいでは、もみじが成長したときに室内が見えにくくなるよう配置しています。ただし、目隠しの程度は木の成長や季節、見る方向によって変わります。植えた直後と成長後の姿を考え、どこからの視線を遮りたいかを確認して計画することが大切です。