断熱材は性能より施工が大事⁈

 

グラスウールを使わない理由とは?注文住宅の断熱で大切な施工品質

 

注文住宅の断熱材について調べると、「グラスウール」という名前を目にする機会が多くあります。

グラスウールは、以前から多くの住宅で使われてきた代表的な断熱材です。

比較的価格を抑えやすく、断熱材としての性能も決して悪いものではありません。

それでは、なぜKIKIでは現在、原則としてグラスウールを使っていないのでしょうか。

理由は、グラスウールという素材そのものを否定しているからではありません。

KIKIが重視しているのは、断熱材の性能を、実際の建物で安定して発揮できるかどうかです。

断熱材は、カタログに書かれた性能値だけで住宅の快適性が決まるものではありません。

どれだけ丁寧に施工されるか、隙間なく納められているか、防湿や気密の処理が適切かによって、完成後の性能は変わります。

今回は、グラスウールの特徴や施工の難しさ、KIKIが断熱・気密で大切にしている考え方について、家づくり初心者の方にもわかりやすく解説します。

 

グラスウールとはどのような断熱材?

 

グラスウールは、ガラスを細い繊維状に加工してつくられる断熱材です。

繊維の間に空気を含むことで、熱が伝わりにくくなる仕組みになっています。

住宅の壁や天井、屋根などに広く使われており、日本の家づくりでは比較的なじみのある断熱材です。

グラスウールには、次のような特徴があります。

  • 比較的価格を抑えやすい
  • 広く流通している
  • さまざまな厚みや性能の商品がある
  • 断熱材として一定の性能が期待できる
  • 不燃性のある素材として使われている

このように、グラスウールは決して性能の低い断熱材ではありません。

正しい商品を選び、適切に施工すれば、住宅の断熱材として十分に役割を果たします。

そのため、「グラスウールを使っている住宅はよくない」と一概に判断することはできません。

重要なのは、何を使っているかだけではなく、どのように施工されているかです。

 

「施工すること」と「きちんと施工すること」は違う

 

グラスウールは、壁の中に入れるだけであれば、それほど難しく見えないかもしれません。

柱と柱の間に合わせて断熱材を入れ、壁を閉じれば、見た目上は施工が完了します。

しかし、断熱材本来の性能を発揮させるには、細かな部分まで丁寧に納める必要があります。

たとえば、次のような点に注意が必要です。

  • 柱と断熱材の間に隙間をつくらない
  • 断熱材を無理に押し込まない
  • 配線や配管のまわりを丁寧に処理する
  • 筋交いや金物のまわりに欠損をつくらない
  • 壁の形に合わせて適切にカットする
  • 防湿層を連続させる
  • コンセントまわりの気密処理を行う

こうした部分を一つひとつ丁寧に施工しなければ、断熱材の隙間や厚みのばらつきが生まれる可能性があります。

断熱材に隙間があると、その部分から熱が伝わりやすくなります。

また、断熱材を押し込みすぎると、設計された厚みを確保できず、期待した性能を発揮しにくくなる場合があります。

グラスウールの難しさは、材料を壁に入れることではなく、建物全体を均一な状態で仕上げることにあります。

 

同じ断熱材でも施工によって結果が変わる

 

注文住宅を検討する際、断熱材の商品名や性能値を比較する方は多いと思います。

しかし、同じ断熱材を使っていても、施工する人や現場の管理方法によって、完成後の状態に差が出る可能性があります。

たとえば、丁寧に隙間なく施工された住宅と、細かな部分に欠損がある住宅では、同じ商品を使っていても実際の断熱性能は同じとは限りません。

断熱材の施工状態は、壁を仕上げると見えなくなります。

完成後に室内から確認することは難しく、問題があったとしても、簡単に直せる部分ではありません。

そのため、施工中の品質管理が非常に重要です。

KIKIでは、カタログ上の性能だけでなく、現場でその性能をどこまで安定して再現できるかを重視しています。

断熱材選びでは、素材の性能と同じくらい、施工品質の再現性が大切です。

 

KIKIが重視する「誰が施工しても同じ結果」

 

KIKIの家づくりでは、断熱材に限らず、誰が施工しても、できるだけ同じ品質になることを大切にしています。

もちろん、家づくりには多くの職人さんが関わります。

一人ひとりが技術と経験を持ち、丁寧に仕事をすることは欠かせません。

しかし、住宅の品質が、特定の職人さんの感覚や技量だけに大きく左右される状態は、できる限り避けたいと考えています。

職人さんによって断熱性能に大きな差が出ると、お施主様は施工する人を選ぶことができません。

同じ会社に依頼し、同じ仕様で家を建てたにもかかわらず、現場によって結果が変わるようでは、安心して家づくりを任せることが難しくなります。

また、施工会社にとっても、品質にばらつきがある住宅を長期間管理することは大きな負担になります。

家は、完成して引き渡せば終わりではありません。

定期点検やメンテナンス、暮らしの相談などを通して、施工会社は長く住まいに関わっていきます。

だからこそKIKIでは、完成時だけでなく、長期的に安心して管理できる品質を目指しています。

お施主様にも施工会社にも安心できる家にするためには、品質を職人さん個人の技量だけに頼らない仕組みが必要です。

 

断熱と気密はセットで考える

 

住宅の快適性を高めるには、断熱だけでなく気密も重要です。

断熱は、室内と屋外の熱の移動を抑えることです。

気密は、建物の隙間をできるだけ少なくし、空気が意図せず出入りするのを抑えることです。

高性能な断熱材を使っていても、建物に多くの隙間があれば、暖めた空気や冷やした空気が外へ逃げやすくなります。

反対に、気密性が高くても、断熱性能が十分でなければ、壁や窓を通して熱が出入りしやすくなります。

そのため、断熱と気密は別々ではなく、セットで考える必要があります。

特にグラスウールを施工する場合は、断熱材の充填だけでなく、防湿層や気密層を連続させる施工が重要です。

小さな隙間や処理不足が積み重なると、住宅全体の冷暖房効率や室温の安定性に影響することがあります。

KIKIが断熱と気密を丁寧に施工したいと考えるのは、数値をよく見せるためだけではありません。

毎日の暮らしの中で、夏の暑さや冬の寒さをやわらげ、冷暖房を効率よく使える住まいにするためです。

 

冷暖房効率と光熱費にも関わる

 

断熱・気密性能は、冷暖房効率と深く関わっています。

冬に暖房を使用したとき、室内の暖かさが壁や隙間から逃げやすい住宅では、設定温度を保つために多くのエネルギーが必要になります。

夏も同様に、外の熱が室内へ入りやすく、冷房した空気が逃げやすい住宅では、エアコンの負担が大きくなります。

断熱材が適切に施工され、建物の気密性も確保されていれば、室内の温度を維持しやすくなります。

その結果、冷暖房の効率が高まり、光熱費の負担を抑えられる可能性があります。

ただし、住宅の冷暖房効率は、断熱材だけで決まるものではありません。

窓や玄関ドアの性能、日射の入り方、間取り、吹き抜け、冷暖房設備の配置なども関係します。

注文住宅では、断熱材だけを単独で考えるのではなく、家全体の設計と組み合わせることが重要です。

 

断熱材の「性能値」だけを見ない

 

断熱材を比較するときは、熱伝導率や熱抵抗値などの数値が使われます。

こうした数値は、素材の性能を比較するうえで大切な情報です。

しかし、数値が高い商品を選べば、それだけで高断熱住宅になるわけではありません。

実際の住宅では、次のような要素が断熱性能に影響します。

  • 断熱材の種類
  • 断熱材の厚み
  • 施工される場所
  • 隙間や欠損の有無
  • 柱や金物からの熱の伝わり
  • 窓やドアの性能
  • 気密性能
  • 換気計画
  • 日射取得と日射遮蔽

特に重要なのが、施工後に設計どおりの状態になっているかどうかです。

カタログに書かれている数値は、断熱材が正しい状態で使われた場合の性能です。

現場で隙間があったり、厚みが不足したりすれば、その性能を十分に発揮できない可能性があります。

断熱性能は、材料の性能値ではなく、設計と施工を含めた建物全体で判断することが大切です。

 

グラスウールを使わないことが正解ではない

 

ここで注意したいのは、グラスウールを使わないことが、すべての住宅会社にとって正解というわけではないことです。

グラスウールを高い精度で施工する技術や管理体制を持つ会社もあります。

施工手順が整備され、現場検査が行われ、職人さんへの教育が徹底されている場合は、グラスウールでも安定した断熱性能を実現できる可能性があります。

断熱材には、それぞれメリットと注意点があります。

価格、性能、施工性、防音性、自然素材かどうか、地域の気候との相性など、何を重視するかによって適した選択肢は変わります。

KIKIが原則としてグラスウールを使わなくなったのは、グラスウールそのものを否定しているからではありません。

KIKIが目指す家づくりと、品質を安定させる方法を考えた結果です。

家づくりでは、「どの断熱材が一番よいか」を探すよりも、建築会社がその断熱材を選ぶ理由や、どのように品質を管理しているかを確認することが大切です。

 

断熱材について建築会社に確認したいこと

 

注文住宅を検討している方は、建築会社へ次のような質問をしてみてください。

  • どの断熱材を使用していますか
  • その断熱材を選んでいる理由は何ですか
  • どのような方法で施工しますか
  • 施工品質のばらつきをどう防いでいますか
  • 断熱材の施工中に検査を行いますか
  • 断熱と気密をどのように考えていますか
  • 気密測定は行っていますか
  • 施工中の現場を確認できますか
  • 壁や天井を閉じる前の写真は残りますか

こうした質問をすることで、素材の説明だけでなく、その会社の家づくりに対する姿勢が見えてきます。

「高性能な断熱材を使っています」という説明だけでは、実際の施工状態まではわかりません。

どのようなルールで施工し、誰が確認し、どのように性能を担保しているかまで聞くことが重要です。

 

見えなくなる部分を大切にする

 

キッチンや床材、外観、壁紙などは、完成後にも目で見ることができます。

一方、断熱材や気密処理は、壁や天井を仕上げると見えなくなります。

見えなくなる部分は、完成後に簡単に交換したり、修正したりできません。

だからこそ、施工中の丁寧さと品質管理が大切です。

KIKIでは、表面のデザインだけでなく、壁の中や天井裏など、完成後には見えなくなる部分も重視しています。

断熱・気密性能は、住み始めてからの室温、冷暖房効率、光熱費、快適性に関わる重要な要素です。

家づくりの打ち合わせでは、間取りや家事動線、収納、住宅ローンに時間をかけることが多くなります。

それと同じように、断熱材や気密施工についても、建築会社としっかり話し合うことをおすすめします。

 

まとめ

 

グラスウールは、比較的価格を抑えやすく、正しく施工すれば十分な性能が期待できる断熱材です。

しかし、壁の中へ入れるだけでなく、隙間や欠損を防ぎ、防湿層や気密層まで丁寧に施工するには、高い施工精度が求められます。

KIKIが原則としてグラスウールを使わなくなった理由は、素材の性能が悪いからではありません。

施工する職人さんによって結果が大きく変わる可能性をできるだけ減らし、どの住宅でも安定した品質を届けたいと考えているからです。

KIKIが断熱材選びで重視しているのは、誰が施工しても、できるだけ均一な断熱・気密性能を実現できることです。

住宅は、完成して終わりではありません。

お施主様が長く快適に暮らし、施工会社が長期間にわたって安心して管理できることが大切です。

注文住宅で後悔しないためには、断熱材の商品名や価格だけで判断せず、施工方法や品質管理まで確認しましょう。

見えなくなる部分をどこまで丁寧に考えているかが、建築会社選びの大切なポイントです。