【帰るたび整う、旅館ライクな家】Part1 帰るたび癒やされる旅館ライクな家

約35坪・2階建ての旅館ライクな注文住宅

和の落ち着きと上質さを日常に取り入れた家づくり

 

今回ご紹介するのは、約35坪の2階建て注文住宅です。

この住まいのテーマは、ひとことで表すと「旅館ライク」。

旅館のような静けさ、上質さ、そして帰宅した瞬間に気持ちが整うような落ち着きを、日々の暮らしの中で感じられるように計画された住まいです。

注文住宅を考えるとき、多くの方が「暮らしやすさ」と「デザイン性」の両立に悩まれます。

見た目が素敵でも生活しにくければ長く快適には住めませんし、機能性だけを重視すると、せっかくの家づくりなのに気持ちが高まらない空間になってしまうこともあります。

今回のお家は、そうした悩みに対して、和の素材感や視線の抜け、動線計画を丁寧に積み重ねることで、毎日の暮らしの質を高める工夫が詰まっています。

特に玄関まわりの設計、和室とのつながり、ヒノキや漆喰といった自然素材の使い方は、これから注文住宅を建てたい方にとって大きなヒントになるはずです。

 

テーマは「旅館ライク」

 

非日常の心地よさを住まいに取り入れる旅館ライクな家づくりと聞くと、豪華さや特別感をイメージされる方も多いかもしれません。

ですが、今回大切にしたのは、華美な演出ではなく、心が落ち着く空気感です。

たとえば、空間に使う素材を自然なものにすること。

視界に入る色味を落ち着いたトーンでまとめること。

照明をやわらかくして、陰影を美しく見せること。

そして、空間の一つひとつに“余白”を持たせること。

こうした要素を丁寧に組み合わせることで、住む人も訪れる人もほっとできる、旅館のような住まいの雰囲気が生まれます。

家づくりでは間取りや住宅ローン、土地選びなど考えることが多くなりがちですが、最終的に大切なのは「この家に帰ってくるのが楽しみ」と思えるかどうかです。

その意味でも、住まい全体のテーマを明確に持つことはとても重要です。

 

玄関から始まる、和の上質感

 

この住まいの魅力は、玄関に立った瞬間から感じられます。

外観側では、軒天に木目を取り入れることで、帰宅時にまずあたたかみを感じられるように計画されています。

軒天は意外と見落とされやすい部分ですが、目線に入りやすく、住まい全体の印象を左右する重要なポイントです。

さらに、玄関は引き戸を採用。

引き戸には、見た目のやわらかさや和の雰囲気があるだけでなく、開閉がしやすいという実用面のメリットもあります。

小さなお子さまがいるご家庭や、荷物を持って出入りする場面でも使いやすく、将来的な暮らしやすさにもつながります。

注文住宅では、玄関ドア一つを選ぶにもデザイン・断熱性・使い勝手など多くの観点がありますが、このお家では「旅館ライク」というテーマに沿って、見た目と機能を両立する選択がされています。

 

和室とLDKへつながる2方向動線

 

玄関に入ると、室内には2つの扉があります。

右側は和室に直接つながる扉、左側はLDKへと続く扉です。

この2方向動線は、暮らしやすさの面でも非常に優れています。

たとえば来客時には、家族のプライベート空間を通らずに和室へ案内することができます。

和室を客間として使いたい場合や、ご親族が集まる機会が多いご家庭にも向いています。

一方で、家族が普段使いするのはLDK側の動線。

このように用途によって動線を分けることで、日常の使いやすさと来客対応のしやすさを両立できます。

家づくりでは、間取りを考える際に部屋数や広さだけに注目しがちですが、実際の住み心地を左右するのは「どう移動するか」です。

家事動線、帰宅動線、来客動線を整理して考えることで、住んでからの満足度は大きく変わります。

この住まいは、その考え方を玄関まわりからしっかり形にした好例といえます。

 

大きなガラスが生む抜け感と癒やし

 

玄関正面には大きなガラスを設けています。

この設計によって、玄関に入った瞬間に視線が奥へと抜け、実際の広さ以上に開放感を感じられる空間になっています。

さらに、その先には外用の観葉植物や植栽を計画中とのこと。

つまり、ただ明るさを取り込むだけではなく、外の緑を室内から楽しめるように考えられているのです。

これは旅館や和の建築でもよく見られる考え方で、庭や植栽を“景色の一部”として室内に取り込む手法です。

注文住宅では、床面積をどう使うかに意識が向きやすいですが、こうした“視線設計”は非常に重要です。

限られた面積でも、見せ方を工夫することで豊かさを感じる空間はつくれます。

土地選びの段階から周囲の景色や窓の取り方まで考えられると、より満足度の高い家づくりにつながるでしょう。

 

ヒノキのリブ天井がつくる、やさしい和の表情

 

室内に入ると、天井にはヒノキのリブ状の素材が施工されています。

ヒノキは日本の住まいと相性のよい木材で、やわらかな色味と上品な香りが特徴です。

見た目にもあたたかみがあり、空間全体に落ち着きを与えてくれます。

さらに今回は、ただの板張りではなくリブ状の形状を取り入れている点が印象的です。

リブ材は陰影が生まれやすく、照明の当たり方によって表情が変わります。

そのため、空間に奥行きが出て、より洗練された印象になります。

家づくりにおいて天井は、壁や床に比べると後回しにされがちです。

しかし実際には、空間の印象を大きく左右する面です。

特に注文住宅では、天井材や高さ、素材感にこだわることで、既製的ではない“その家らしさ”が生まれます。

 

 

和紙を感じる照明と、漆喰の風合い

 

照明もまた、この住まいの世界観を支える大切な要素です。

今回採用されているのは、和紙を感じさせるやわらかな雰囲気の照明。

強い光で空間全体を均一に照らすのではなく、あたたかく包み込むような明かりによって、旅館のような落ち着きを演出しています。

そして壁は、いつもの漆喰仕上げ。

漆喰の魅力は、塗り壁ならではの自然な質感にあります。

今回のようにコテ跡を残す仕上げにすることで、均一すぎないやわらかな表情が生まれ、空間に手仕事のぬくもりが加わります。

漆喰は見た目の美しさだけでなく、調湿性などの面で魅力を感じる方も多い素材です。

もちろんメンテナンス性やコストとのバランスも大切ですが、自然素材を取り入れたい方、和モダンの住まいにしたい方には非常に相性のよい選択肢です。

 

旅館ライクな家づくりは、特別ではなく“暮らし方”の提案

 

このお家の魅力は、単に「和風でおしゃれ」ということではありません。

玄関からの見せ方、和室とLDKへの動線、自然素材の選び方、照明のやわらかさまで、一つひとつが暮らし方に寄り添って計画されている点にあります。

注文住宅は、間取りや設備、住宅ローンや土地選びなど検討項目が多く、何から決めたらよいかわからなくなることもあります。

ですが、まずは「どんな気持ちで暮らしたいか」を考えることが大切です。

・帰宅したときにほっとしたい

・来客を気持ちよく迎えたい

・自然素材に囲まれて暮らしたい

・派手ではなく、長く飽きない家にしたい

こうした想いが明確になると、必要な間取りや素材、デザインの方向性も見えてきます。

家事動線や収納計画、将来の暮らし方まで含めて整理することで、後悔しない家づくりにつながります。

 

 

まとめ

 

約35坪の2階建てで実現した、旅館ライクな注文住宅。

木目の軒天、引き戸の玄関、和室とLDKへつながる2方向動線、大きなガラス越しの景色、ヒノキのリブ天井、和紙を感じる照明、漆喰の壁。

どの要素も、和の落ち着きと上質さを丁寧に積み重ねた住まいでした。

家づくりでは、広さや設備のスペックだけでなく、「どんな空気感の中で暮らしたいか」を考えることがとても大切です。

旅館ライクな住まいは、特別なものではなく、毎日の暮らしを心地よく整える一つの考え方でもあります。

これから注文住宅を検討される方は、間取りや家事動線だけでなく、玄関の見せ方や素材の選び方、照明計画にもぜひ目を向けてみてください。

そうした細やかな工夫が、住んでからの満足度を大きく左右します。

自分たちらしい心地よさを見つけながら、後悔しない家づくりを進めていきましょう。