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10年後も心地いい家にするために。「進化する住まい」という考え方

公開日:2025/11/13(木) 更新日:2025/11/10(月) 家づくりコラム

今回は、「家は“完成形”ではなく“進化形”で考えるべき」という視点について、解説させて頂きます。

多くの方にとって、家を建てることは人生で最も大きな買い物です。

そのため、「これで完璧」と思える家を一生懸命に計画される方も多いでしょう。

しかし実は、家づくりにおいて“完成形”を追い求めすぎることが、後々の暮らしに窮屈さを生んでしまうこともあるのです。

本記事では、住まいは進化するものという視点から、長く快適に暮らすための住まいの考え方や、自然素材との相性、将来を見据えた設計の工夫についてご紹介します。

 

家は「完成して終わり」ではない

注文住宅の魅力は、住む人の理想をカタチにできることです。しかし一方で、最初から“完璧”を目指して詰め込みすぎてしまうと、暮らしの変化に対応しづらくなることもあります。

たとえば、

 - 子どもが独立して部屋が余る

 - 在宅勤務になりワークスペースが必要になる

 - 両親との同居や介護の必要性が出てくる

このように、10年、20年先の暮らしは想像以上に変わっていくものです。

だからこそ家は、変化に柔軟に対応できる「余白」や「伸びしろ」がある方が、長く快適に暮らせるのです。

 

進化する家が叶える、心地よい暮らしの継続

暮らしの変化を受け入れられる家は、住む人にとってのストレスが少なくなります。

たとえば、子育て中は家族の動線や収納の量に重点が置かれますが、子どもが巣立った後は使い方も大きく変わります。

最初からすべてを一つの間取りで解決しようとするよりも、変化を前提とした家づくりのほうが、心にも空間にもゆとりが生まれます。

このように、家を「完成させる」ではなく、「育てていく」意識で暮らしと向き合うことで、より愛着が湧く住まいになるのです。

 

自然素材の家は、時間と共に美しくなる

家を“進化形”で考えるうえで、自然素材との相性はとても良いといえます。たとえば、

 - 無垢材の床は、年月とともに色合いや艶が深まり、味わいが増します。

 - 漆喰や珪藻土の壁は、汚れも手入れによって風合いとして残せる楽しみがあります。

こうした素材は、最初から完璧な状態を保つことを目的とするのではなく、経年変化そのものが価値になるのが特長です。

時間の経過と共に風合いが増していく住まいは、まさに“進化する家”の象徴ともいえるでしょう。

 

可変性のある間取りで「未来に備える」

「最初にすべて決めない」ことも、進化する家づくりのポイントです。たとえば、

 - 将来的に仕切りを設けられるように設計しておく

 - 子ども部屋を広めの一室にしておき、成長に合わせて分割する

 - ガレージや倉庫として使えるスペースを設けておく

といった工夫により、住まいの使い方を変える余地を残しておくことができます。こうした柔軟性は、リフォーム費用を抑えることにもつながります。

※注意:将来何が必要になるかは、実際に暮らしてみないと分からない部分もあります。

だからこそ、“完成形”にこだわりすぎず、変化を受け入れられる設計が重要なのです。

 

収納・動線も“変化前提”で考える

家づくりでは「収納は多ければ多いほど良い」と思いがちですが、用途や使い方が変化することを前提に考えておくことが大切です。

 - 子どもの荷物が増える時期と、減る時期がある

 - 趣味や仕事の道具の量が変わる

 - 将来、介護用品などの収納が必要になる可能性も

こうした変化に対応できるように、フレキシブルな収納設計があると暮らしがぐんと楽になります。

また、家事動線や生活動線も同様に、柔軟に変化できる回遊動線やフリースペースなどを設けておくと、将来の暮らしやすさに大きく寄与します。

 

変化を受け入れられる家こそ、愛着が深まる理由

「どこかに余白がある家」は、住む人が自分たちで手を加える余地がある家でもあります。たとえば、

 - DIYで棚を付け足したり、壁の色を塗り替えたり

 - 家族構成の変化に合わせて、家具の配置を変えたり

 - 趣味のスペースを後から追加したり

そうした「変化する余地」があることが、自分たちの手で育てる家という実感につながり、長く住むほどに愛着が深まっていきます。

 

失敗しないために大切な「未来目線の家づくり」

注文住宅を考えるとき、どうしても「今の理想」に目がいきがちです。しかし、5年後・10年後・20年後の暮らしを想像することが、失敗しない家づくりにつながります。

 - 子どもが独立した後の使い方

 - 定年後の生活スタイル

 - 自宅で過ごす時間の増加

こうした視点をもつことで、家は“今だけの器”ではなく、未来も見据えた住まいへと変わります。

 

完成よりも、変化を楽しむ住まいへ

「完成して終わり」の住まいより、「暮らしと共に育つ」住まいの方が、長い目で見ればずっと心地よく、満足度も高まります。

自然素材の家は、経年変化を楽しみながら、住む人と一緒に歳を重ねていける存在です。

そして、柔軟に進化していける住まいこそが、本当に豊かな暮らしを支えてくれるのではないでしょうか。

 

  


 

三重県で注文住宅を建てるリビングモチーフキキです。

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