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家族の「気配を感じる距離感」を間取りに落とし込む注文住宅の考え方

公開日:2025/10/20(月) 更新日:2025/10/17(金) 家づくりコラム

今回は「気配を感じる距離感」を間取りに落とし込む家づくりについて、解説させて頂きます。

家族と同じ屋根の下で暮らす喜びは大きなものですが、常に一緒にいると「一人になりたい」「落ち着ける場所が欲しい」と感じることもあります。

一方で、完全に個室にこもってしまうと、家族の気配が感じられず孤独に思えてしまうこともあります。

 

 

そこで注目されているのが、「ちょうどよい距離感」を大切にした間取りの工夫です。家族が安心してつながりながらも、それぞれの時間を過ごせる住まい。

これは単に広さや部屋数の問題ではなく、設計の考え方や素材選びによって実現できるものです。

本記事では、注文住宅だからこそ叶えられる「気配を感じる距離感」をテーマに、暮らしをより快適にする間取りの考え方をご紹介します。

 

なぜ「気配を感じる距離感」が大切なのか

現代のライフスタイルでは、家族それぞれが自宅で異なる過ごし方をしています。

親はリビングで仕事をし、子どもはダイニングで宿題をし、時には家事や趣味も同時進行する。

そんな暮らしの中で「完全な仕切り」や「過度なオープン空間」はどちらも不便さを生むことがあります。

 - オープンすぎる空間 → 常に視線が気になり落ち着けない

 - 仕切りすぎる空間 → 声や気配が届かず孤立してしまう

この中間にあるのが、気配を感じる距離感です。

声や物音は伝わるけれど視線は外れる、少しの工夫で安心感と自由さを両立できるのです。

 

LDK+αの空間でつながりをデザインする

家族が集まるLDKを中心に据えるプランは多くの注文住宅で採用されています。ここに「プラスα」の空間を設けることで、家族の距離感はぐっと快適になります。

■ スタディコーナー:

 - リビングの一角に設ける学習スペース。親は食事の準備をしながら子どもの勉強を見守れます。扉で仕切らず壁で囲う程度にすることで、音や声は届きつつ集中できる環境になります。

■ 小上がり和室:

 - リビングとフラットにつなげず、あえて段差をつけることで「別空間」としての性格を持たせます。客間や遊び場、昼寝スペースとしても重宝されます。家族と同じ場所にいながら一歩引いた安心感を得られる空間です。

■ 半個室ワークスペース:

 - 壁で囲った一角にデスクを配置し、扉はつけずに開口部を確保。テレワークや趣味の時間に活用しながらも、家族の気配を感じられます。

こうした「オープンとクローズの中間」に位置する空間が、家族の距離感を調整してくれるのです。

 

吹き抜け・スキップフロアで縦のつながりを演出する

平面的な工夫に加え、縦方向の設計も「気配を感じる距離感」を実現する重要な要素です。

■ 吹き抜けリビング:

 - 1階のリビングと2階のホールや子ども部屋を視覚的につなぎます。声や物音が伝わるので「安心して自分の部屋にいられる」感覚を得られます。明るさや風通しの点でもメリットがあります。

■ スキップフロア:

 - 中2階や段差を利用したスペースは、家族の目線が交差しやすい設計です。書斎やライブラリー、子どもの遊び場などに使えば、孤立せずに「自分の居場所」として活躍します。

縦の空間を活かす設計は、限られた土地でも空間に奥行きを生み出すことができ、都市部や変形地の住宅にも向いています。

 

素材がつくる「一緒にいたくなる距離感」

間取りの工夫に加え、自然素材の選び方も家族の距離感に影響します。

■ 無垢材の床:

 - 柔らかく温かみのある肌触りが、家族を自然とリビングに集めます。裸足で過ごす心地よさが習慣となり、交流の時間が増えます。

■ 漆喰や珪藻土の壁:

 - 調湿作用で快適な空気環境を保ち、リビングや寝室を居心地のよい空間にしてくれます。壁そのものが呼吸するため、閉じた空間でも息苦しさを感じにくいのが特徴です。

■ 天然素材の断熱材:

 - 夏涼しく冬暖かい家は、自然と家族がリビングに集まりやすくなります。快適さが居場所選びに直結するため、結果として家族のつながりを強めます。

自然素材は、空間の質を高めるだけでなく、「一緒に過ごしたくなる空間」を育む役割を果たします。

 

子育て世代が安心できる「気配の間取り」

子育て中のご家庭にとって、間取りにおける「気配を感じる距離感」は特に重要です。

■ リビング階段:

 - 子ども部屋に行く際に必ずリビングを通る設計は、自然なコミュニケーションを生みます。

■ キッチンからの見守り:

 - ダイニングやスタディコーナーを見渡せる位置にキッチンを配置すれば、家事をしながら子どもに目を配れます。

■ ファミリークロークの設置:

 - 玄関やリビング近くに共有の収納を設けることで、生活動線がシンプルになり家族の行動が見えやすくなります。

これらは「いつでもそばにいる」安心感と「自分の時間を持てる」自由さを両立する間取りです。

 

大人世代にとっての「気配の間取り」

子どもが成長した後や二世帯同居のケースでも、「気配を感じる距離感」は暮らしを快適にします。

 - 親世帯の居室を1階に配置し、リビングとゆるやかにつなげる

 - 夫婦それぞれの趣味部屋を確保しつつ、共用のリビングで交流する

 - 縁側やテラスを設けて内外をつなぎ、家族が自然と集まる場所にする

こうした工夫は世代を問わず、「一緒にいられる安心感」と「ひとりの時間の心地よさ」を支えてくれます。

 

まとめ|間取りでつながりと安心をデザインする

「気配を感じる距離感」を意識した間取りは、家族の暮らしを豊かにします。

オープンすぎない空間、閉じすぎない配置、自然素材の心地よさ。

それらをバランスよく組み合わせることで、日常の安心感と快適さが生まれます。

注文住宅の魅力は、こうした細やかな暮らし方への配慮を間取りに反映できることにあります。

家族のライフスタイルや将来の変化を見据え、長く心地よく暮らせる住まいを考えてみませんか。

  


 

三重県で注文住宅を建てるリビングモチーフキキです。

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