注文住宅で失敗しないための「柱」と「寸法」の話
地震に強い家づくりは「構造バランス」と「柱の配置」から
なぜ構造の話が大事なのか
「地震に強い家を建てたい」——これは多くのご家族にとって共通の願いです。
しかし、見た目や間取りだけに気を取られてしまい、構造や寸法の基本を知らずに後悔するケースも少なくありません。
今回は、特に大切な「柱の配置」や「寸法の考え方」について、専門的な視点からわかりやすく解説します。
地震に強い家とは?大事なのは“バランス”
家の強さは「バランス」で決まります。
特に地震の際、力が一点に集中しないよう、壁の配置や柱の位置に気を配ることが重要です。
例えば2階建ての住宅では、上階と下階で柱の位置を揃える「直下率(ちょっかりつ)」が高いほど、耐震性は向上します。
柱の配置ルール:在来木造工法では“91cmピッチ”
日本の伝統的な「在来工法」では、柱の間隔を「3尺(約91cm)」で設計するのが一般的です。
ここで重要になるのが「芯々(しんしん)」という考え方。
これは柱の“中心”から“中心”までの距離を示すもので、仕上がり寸法とは異なります。
たとえば、芯々91cmで設計した場合でも、実際に内側にできる空間(内内)は78cm程度になることも。
この差を理解しておかないと、家具が入らなかったり、ドアの幅が思ったより狭かったり…
ちょっとした誤解が、大きな使い勝手の差に繋がってしまいます。
柱のサイズにも注意!標準は「105mm角」
柱そのものの太さも、家の構造に関わる重要な要素。
在来木造住宅では、105mm(=3寸5分角)を使うのが一般的ですが、用途や設計に応じて太さを変えることもあります。
寸法の“わずかな違い”が住み心地を左右する
設計時の寸法感覚と、実際に完成した住空間とのギャップは、家づくりにおける“あるある”です。
数cmの違いが「収納できない」「通れない」といった不満に直結することもあるため、設計段階から注意が必要です。
構造の基本を知ることが後悔しない家づくりの第一歩
家づくりは見た目だけでなく、構造の基本を理解することが何より大切です。
柱の配置や芯々の考え方を知ることで、耐震性が高く、住みやすい家づくりが実現できます。
プロと一緒に、構造面までしっかりと話し合いながら、安心して暮らせる住まいをつくっていきましょう。