家づくりの流れ⑥ 理想の土地を買う考え方とは?
【土地購入の第一歩「買付書」とは?】
~運・縁・タイミング、そして決断力がカギ~
「この土地、ちょっと気になるな…」と思った時に最初に出てくる言葉が「買付書(かいつけしょ)」です。
これは、土地を買いたいという“意思表示”を正式に伝えるための書類です。
■「買付書」とは何か?
買付書とは、気に入った土地があった際に「この土地を購入したい」と申し込むための書類です。
いわば「この人に売ってもいいかな?」と売主さんに伝える最初のステップになります。
◎ポイント◎
「買付書を書いた=契約した」ではありません。
ですが、「私はこの土地をこの条件で買いたいです」という強い意思を表すものなので、“軽い気持ち”では出せません。
■買付書にお金は必要?
「一時金」や「手付金」が必要なのか?と聞かれることもありますが、買付書を提出する段階では基本的にお金は不要です。
あくまで「契約前の意思表示」です。お金のやり取りが発生するのは、正式に契約を結ぶ段階からになります。
ただし、買付書には以下のような情報を記入します:
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購入希望価格
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契約希望日
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支払い方法(ローンの有無、借入予定額)
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引き渡し時期の希望
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その他の条件(測量や地盤調査など)
つまり、「この条件で買います」という具体的な交渉材料を提示する場でもあるのです。
これによって、売主や不動産会社は「この人と本格的に話を進めてよさそうか」を判断します。
■買付書=交渉の第一順位を取るもの
人気の土地になると、複数の買主が現れることがあります。
その時、「誰が一番手か(=交渉の第一順位)」を決める基準になるのが、買付書を出した順番です。
つまり、早く買付書を出せば出すほど、売主との交渉において有利になります。
だからこそ、「まだ迷っているけど、とりあえず出しておこう…」という軽い気持ちではなく、ある程度“決心”が固まってから出すことが大切です。
■「もっと良い土地があるかも」と悩むのは当然。でも…
土地探しをしていると、多くの方が一度は思うのが、「もう少し待てば、もっと条件のいい土地が出るかも…」ということです。
ですが、これはある意味、終わりのない旅になりがちです。
例えるなら、「結婚相手を探す旅」に似ています。
「日本中の異性と会ってみないと、ベストな人を決められない」と言っていたら、きっと一生決まらないでしょう。
結局は、縁あって出会い、時間を過ごし、納得した上で「この人にしよう」と決断するのが現実です。
土地もそれと同じ。すべての土地を比べられるわけではありませんし、完璧な“100点の土地”など存在しません。
■土地購入に必要なのは、「運・縁・タイミング・決断力」
土地を買う時に重要なのは、以下の4つだと私たちは考えています。
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運:たまたまその時に市場に出ていたかどうか
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縁:その土地に出会ったタイミングと気持ち
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タイミング:自分たちの資金やライフプランとの兼ね合い
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決断力:迷いすぎずに「これだ」と腹をくくれるかどうか
この4つがそろって初めて、土地というのは“買える”ものになるのです。
逆に言えば、「良い土地に出会った」と思っても、決断が遅れて買付書を出すのが遅くなると、他の人に先を越されてしまうことも多々あります。
まとめ 買付書は“決断の証”
買付書とは、ただの申込書ではありません。
「この土地と暮らしを共にする」決意の第一歩です。
まだ見ぬもっと良い土地を探し続けるよりも、“自分たちに合った”土地に出会ったその時の「ご縁」を信じてみるのも、後悔しない選択です。
土地探しにおいて、最終的に大事なのは「情報量」よりも「判断力」。
だからこそ、運・縁・タイミング・決断力の4つを意識しながら、納得のいく選択をしていただければと思います。