Part1 35坪に詰め込んだ理想の平屋暮らし

 

 

東南からの光を効率よく取り込む「L字型配置」の工夫

 

注文住宅での家づくりにおいて、多くの方が重視するのが“光の取り込み方”。

今回の住まいでは、東南の光をいかに積極的に室内に届けるかをテーマに、建物の形状そのものをL字型に“折り曲げる”という設計手法が採用されています。

「日当たりのよい家にしたい」というご希望を受けて、採光効率を最大限に引き出すための配置計画を。

自然光を効果的に取り込むためのプランニングこそが、住まいの快適性を左右する鍵だと思います。

 

 

■ タイル仕上げのテラスで“外とつながる暮らし”を実現

L字型の住まいが囲む形で配置されたテラススペースには600角の大判タイルを使用。

タイルはウッドデッキと比べてメンテナンスが格段にラクで、耐久性にも優れています。また、タイルが持つ上質な質感が、屋外空間に高級感を与え、リビングから自然につながる中間領域として心地よさを演出しています。

テラスに出るという行動を暮らしの主軸に置いて設計し、家の内と外をシームレスにつなぐこの空間は、日常の動線にも大きな影響を与えています。

 


■ 自然を感じる庭づくり:植栽とウッドチップの使い方

 

テラスの隣には、オリーブと赤ドラセナを組み合わせた植栽が配され、ナチュラルな雰囲気を演出。カーポートとの間にもグリーンを配置し、無機質な空間に彩りを添える設計となっています。

さらに、地面には天然のウッドチップを敷き詰めており、その理由としては以下の3点が挙げられます:

  • 素材感が良く、夏場でも熱くならない

  • 雑草が生えにくく、管理がラク

  • 自然素材であり環境にもやさしい

このように、見た目の美しさだけでなく、実用性やメンテナンス性にも優れた庭づくりがなされています。

 

 

■ 東向きの寝室と南向きのリビング:自然光を活かす間取り設計

室内の配置にも、自然光を最大限に活かす工夫が光ります。

  • 寝室は東向きに配置されており、朝の柔らかい光が優しく差し込みます。これは、1日の始まりを自然に快適に迎えられる設計です。

  • リビングには幅2700mmの大開口の窓が南側に設けられ、日中たっぷりと太陽光を取り込みます。これにより明るさと暖かさを確保し、冬場の暖房負荷を軽減するパッシブデザインにもつながっています。

このように、部屋の役割に応じて光を設計に取り入れる考え方は、機能性と心地よさを両立させるための重要な視点です。

 

 

暮らしに光と自然を取り込む設計哲学

 

今回ご紹介した平屋は、「日差し」「風」「自然とのつながり」を軸に、光の質と量を丁寧にコントロールしたL字型の設計が特徴です。

テラスや植栽、素材の選定まで、住まい手のライフスタイルを意識した提案が詰まっており、家そのものが暮らしを支える「道具」として成立しています。

これから家づくりを始める方にとって、「自然と調和する家づくり」のヒントが詰まった非常に参考になる事例と言えると思います。

 

 

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