本当に必要かどうかの見極め

 

 

 

 

住まいづくりを進めるうえで大切なのは、「どのように暮らしたいか」という理想を明確にすることです。

こちらの動画では、設計者が間取りを提案する際に必要となる、具体的なイメージの共有や家族間での話し合いの重要性をお話ししています。

家族や夫婦であっても考え方や好みはそれぞれ違いますし、イメージを言葉にしなければ設計者には正しく伝わりません。

それでは、主にどのような視点を持って家づくりの要望をまとめていくべきかを、いくつかに分けて解説します。

 


1. 「間取りはリクエスト次第」という現実

設計者にとっては、依頼主(住まう人)の具体的な「こうしたい」「ああしたい」というリクエストがあればこそ、最適な間取りを考えやすくなります。

一方で、家族の価値観やライフスタイルが完全に一致することは稀で、たとえ夫婦であっても、頭の中のイメージが100%同じになるとは限りません。

そのため、家づくりの要望はまず家族の間でよく話し合い、ある程度共有しておくことが大切です。

何も決まっていない状態で設計者に相談しても、「想像していたのと違う」という結果になりかねません。

 

 

2. 流行のアイデアとコストの関係

最近では、脱衣室と洗面室を別々に設ける、ファミリークローゼット(ファミクロ)を取り入れる、ランドリールームを確保するといった要望が目立つようになっています。

これらは生活の利便性を高めるうえで非常に魅力的ですが、その分、1階部分の面積が増える可能性が高く、結果として建築コストの上昇につながります。

限られた予算のなかで、理想をどこまで実現するかという「取捨選択」は避けて通れません。

どのアイデアを最優先とし、何を見送るかを事前に検討しておく必要があります。

 

 

3. 家族内で事前にまとめておくポイント

「どんな間取りにしたいか」を夫婦や家族で共有する際は、次のようなポイントを話し合うとよいでしょう。

  1. 動線のイメージ:家事動線や帰宅動線、来客動線など、日々の動きを想定しながら決めると暮らしやすくなります。
  2. 収納スペースの在り方:ファミクロや収納量を増やすかどうか、あるいは見せる収納にするかなど、自分たちの生活スタイルと好みに合わせて検討することが大切です。
  3. 予算と優先度:面積が大きくなるほどコストが増えるため、どこにお金をかけたいか、ここは妥協できないというポイントをリストアップしておくとスムーズです。

 

これらをまず家族内で整理しておくと、設計者への要望も明確になりますし、完成後の「こんなはずじゃなかった」を少しでも減らせるはずです。

 

 

4. 設計者への伝え方とプロの視点の活用

設計者は日々多くの建築プランに触れているため、実績やトレンドを踏まえた様々なアイデアを持っています。

大まかな要望しかないまま「お任せ」で依頼すると、設計者の想定と依頼主の理想にギャップが生じるリスクが高くなります。

理想像をどれだけ共有できるかによって、提案の精度も変わってくるのです。

家族でまとめたイメージや希望をしっかり言葉にして伝えたうえで、「使いやすい間取りにするにはどうすれば良いか」「最新の設備やレイアウトにはどんなメリット・デメリットがあるか」などをプロに尋ねてみましょう。そうすると、より的確なアドバイスが得られ、結果的に自分たちが望む以上の使いやすさを実感できる住まいにつながります。

 

 

5. ベストアンサーを得るために

「本当に必要なものは何か」を家族でしっかりと話し合うことは大切です。

トレンドや便利さに心惹かれるのは当然ですが、家づくりはコストとの兼ね合いも大きなポイントになります。

費用をかけるなら何にかけるべきなのか、それは本当に家族にとって必須なのか──こうした問いを共有し、納得できる答えを出したうえで設計者と話を進めると、後悔の少ない家づくりが可能になります。

家は一度建てたら簡単にはやり直せない、大きな投資です。だからこそ、家族での綿密な意見交換と情報整理を経てから、プロの意見を取り入れていくことも意識してみましょう。要望を的確に伝え、家族それぞれの暮らし方をイメージしながら設計者と一緒にプランを作っていけば、各家庭にとっての「ベストアンサー」となる家づくりがきっと実現できるはずです。

言語化が難しいなと感じる場合は、写真(InstagramやピンタレストなどのSNSも活用しながら)を共有してみるのもひとつの手段ですね。

 

 

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