外観デザイン編!① シンプルな外観でも個性を出せる?
【シンプルな外観に“個性”を宿すには?】
~色・カタチ・バランスで「らしさ」をデザインする~
「シンプルな外観にしたいけれど、よくある感じにはしたくない」
「家の外観に個性を出したいけれど、どうすれば“やりすぎ”にならない?」
家づくりをご検討されるお客様から、こうしたご相談をいただくことがあります。
今回は、シンプルなデザインでも個性を出すための考え方と、外壁の色選びで後悔しないためのコツについてお話しします。
■シンプルな家でも、個性は出せる?
結論から言えば、シンプルな外観だからこそ、個性を際立たせる方法はたくさんあります。
ただ「個性的=派手」「目立つ」ということではありません。
シンプルでありながらも“その家らしさ”がしっかり感じられる、そんな外観づくりは十分可能です。
具体的に個性を演出する方法として、以下のような手段があります。
● 凹凸をつける
建物の外観に立体感を持たせることで、陰影が生まれ、空間に動きが出ます。
特に玄関周りや窓の配置で奥行きを感じさせると、視覚的にもリズムが生まれ、印象に残る外観に。
● 窓の配置や形状で遊ぶ
四角い窓を並べるだけでなく、スリット窓・縦長・正方形などのバリエーションを使ってデザインのアクセントにするのも一つの方法です。
配置次第で、外からの視線の遮り方や、光の入り方にも変化をつけることができます。
● 外壁の素材やパーツで魅せる
外壁の色だけでなく、素材の切り替えや、アクセントとしての木や石、金属部材の使い方でも個性は十分に出せます。
シンプルな中にほんの少しの異素材を入れることで、“静かな主張”が感じられる家になります。
● テイストを絞ると、ぶれない
「シンプルモダン」「和モダン」「北欧テイスト」など、全体の方向性を一つに決めておくことで、個性を出しつつも統一感のある外観にまとまりやすくなります。
■外壁の色選びで後悔しないために
「外壁の色をどう決めたらいいか分からない」「何年も住むものだから、失敗したくない」
そんなご不安もよくいただきます。
実は、私たちが家づくりの中で意識しているのは、「外壁の色はフィルターである」という考え方です。
私たちが目指しているのは、「これが流行だから」「この色がおすすめです!」と一方的に押しつけることではありません。
たとえば、服屋さんに行った時に「あなたにはこの服が一番似合います。これを買ってください」と言われたらどう感じますか?
もちろん提案はありがたいですが、自分の趣味や気持ちが無視されてしまうと、納得のいく買い物にはなりませんよね。
家づくりも同じです。
しかも、家は何年、何十年と住み続ける大きな存在。
流行だけで選ぶには、少し慎重さも必要です。
だからこそ私たちは、「お客様が思い描いているイメージを、私たちの知識で“翻訳”していく作業」を心がけています。
■色選びの進め方:おすすめのステップ
-
理想のイメージを共有する
PinterestやInstagram、雑誌の切り抜きなどで「いいな」と思う外観の写真を集めていただきます。 -
どんな雰囲気が好きかを言語化してみる
「落ち着いた印象」「モダンだけど温かみがほしい」「白っぽいけど汚れが目立ちにくい」など、曖昧でも構いません。 -
地域の景観や周囲とのバランスを考える
建物単体で見るより、周辺との調和も重要なポイントになります。 -
耐久性・メンテナンス性も視野に入れる
明るすぎる白や黒すぎる外壁は、汚れや色あせが目立つこともあるので、その点も踏まえて選びましょう。
■まとめ:「あなたらしさ」を翻訳する家づくり
シンプルなデザインは、一見すると“無個性”にも見えますが、実は細部の工夫次第で、豊かな個性を表現できるキャンバスでもあります。
「奇抜にしたい」ではなく、“あなたらしさ”がにじみ出る外観こそ、長く愛せる家になると私たちは考えています。
色選びや外観づくりに迷ったら、「こんな家にしたい」「こんな雰囲気が好き」と、ぜひ気軽にお話を聞かせてください。
あなたの想いを、プロの視点で丁寧に“翻訳”しながら、かたちにしていきます。