スマートフォンの出現で、良くも悪くも家の中で各自が個別に過ごす時間が増え(昔はひとつしかないTVを家族全員で観ていたのも懐かしいですね)、家族が家族であることを維持できる大きな要素のひとつ『料理を一緒にする』であったり『一緒にご飯を食べる』ことの意味がこれまでより強くなっており、どんなキッチンにするのかということは、家の計画を考える上でより重要性が増していると言っても過言ではないと思います。

 

 

また、例えば朝ご飯についてでも『ご飯とみそ汁』という家もあれば、『食パンと珈琲』、『シリアル』、『お粥』、『蒸し野菜』などなど色々ありえ、朝食ですらそんな様子ですから夕飯の多様性といったら家族によって本当に色々なバリエーションがありえ、家族家族により相応しいキッチン像というのが異なっております。

 

今回はキッチンについてあれこれ書いてみますが、結論的には理想のキッチンは千差万別ですし、注文住宅で全く同じ間取りが無いように、キッチンも(それが既製品であっても)細かなパーツを加えたり、敷地条件で取れる開口部(要は窓ですね)や仕上げの素材、パントリーや勝手口の有無などで随分違ったものになります。

 

以下具体的に考えていきましょう!

 

1.キッチンの「理想形」とは?

家の目指すべきゴールが家族によって異なるように、理想とされるキッチンのイメージのバリエーションは無限にありえます。

先ずはキッチンについて自分の考えていること、感じていることを素直に設計者に投げかけましょう

(例えば、リビングダイニングを見渡せるほうが良い、 作業台が広いほうが良い など思いつくことをどんどん伝えましょう。)

 

 

2.キッチンを作るのに必要なこと

キッチンを要素に分解すると水・火・作業スペース・収納スペースとなることに大きな異論はないのではないかと思います。

 

調理頻度(1週間分をまとめて週末にされるお宅だって相当あるし、毎食ごとに料理されておられる家もあります)やどんな料理(例えば蕎麦打ちが好きな人と魚を捌くのが好きな人のキッチンに求められる要素は異なります)が好きかなどに拠り設えていくものが変わってきますので、やはりここも施主様と設計者のイメージの共有がとても大切です。

 

3.動きやすいキッチンとは?

簡単には飛行機のコックピットのように、全てのモノが手が届く範囲にあるということ、調理や整理整頓が楽な計画になっていること、と言えるのではないでしょうか?

上記を全てクリアするのは難しい部分もありますので日常使いのモノ、稀に使うモノや季節柄使うモノなどがきちんと分類し整理、管理できる空間があることが大切です。

あと一人で調理が多いのか、ふたり以上で調理が多いのかも求められる寸法が変わってきますのでご注意頂きたい事項になります。また、狭くてもパントリーがあると見栄えを気にせず収納ができてオススメです。

 

 

 

キッチンのレイアウトでよく使われる言葉に、ワークトライアングルというものがあります。

冷蔵庫など貯蔵する場所、シンクやワークトップなど下ごしらえをする場所、コンロなど調理する場所の3つの場所を、もっとも効率的に結ぶという考え方です。ワークトライアングルでは、3点はそれぞれ120cm以上離れていることが、スムーズに調理を行う上で大事だとされています。

全体としては、3つの場所を結んでできる三角形の辺が合計で400~500cmに収まるようにすると、快適に作業できるといわれています。

 

4.気を付けたいポイント

意外と忘れがちになるかもしれませんが、帰宅時のキッチンまでの動線はとても大切で、実際多くの方が忙しい中での買い物で、買い物袋を複数持って帰宅されることが多いのではないかと思います。

ですので、駐車スペースから玄関(あるいは勝手口)、玄関から冷蔵庫の動線の検討もとても大切です。

 


 

以下はキッチンを考えるときにHOW TO的に大切したいポイントとして参考になさって下さい。

 

1.作る場所と食べる場所などをきちんとイメージする。

キッチンで調理に没頭したいイメージが強いのか、家族の様子を見ながら調理したいのか、また食事をするについても配膳や片付けまで一連の流れとして考えていく必要があります。

またキッチン付近でお子様の勉強をというご家庭もありますがそれにしたって➀ダイニングテーブルで②キッチン付近のカウンターで③勉強用のスペースを設けて など色々なバリエーションが考えられます。

 

2.回遊型のキッチンは便利。

間取りでもそうですが行き止まりが無いとご自身が動くにせよ、ご家族・ご友人が集まった場合にせよ融通が利いて便利なことが多いです。

 

3.シンクと作業スペースの大きさについて。

調理における下準備の大切さは言うまでもないことですが、あまりに大型のシンクに拘り過ぎて作業スペースが極端に狭くなると不便なことも多いですので注意下さい。毎日のように大きな魚を捌くというご家庭では大きなシンクも必要かもですがナカナカそんなお家も少ないかと思われます。

 

4.ガス派?IH派?

詳しくは書き切れませんが双方メリットデメリットがありますのでじっくり考えたいところです。火力・掃除のしやすさではIH、唯一人間のみが扱うことができ、歴史的に人が慣れておるのは『火』です。

 

5.パントリーについて

乱雑に収納できるという部分でとても重宝できる空間になりますので、狭くても良いので是非採用をご検討頂くと良いと思います。

 

6.勝手口について

外にゴミを置くなど、ゴミの管理の問題もあり根強い人気の勝手口です。勝手口反対派の方の多くは、勝手口自体が見えにくい所に来ることが多いから用心が悪いことを気にされておられることが多いように感じます。

勝手口の向きは可能であれば直接日が当たりにくい北向きとして、外に出るときの靴が宅内における土間空間があると良いです。ただし、土間空間があると冷気が入りますので、対策が必要になります。またキッチンに直接勝手口というパターンもありますが靴が外に出しっぱなしになる点や、宅内床の高さと外の段高が大きくなりますので注意下さい。

 

 

7.家族の変化でキッチンは変わる。

家の寿命はとても長く、その中で家族の加齢や家族構成の変化もあり、また年齢毎のライフスタイルの変化などもあり、キッチンに求めれる要素も変わってくるものと、柔軟に考えて頂くのが良いと思います。

 

8.見せるキッチン、機能重視のキッチン。

クローズ型のキッチンの計画が減ったことや、キッチン自体がインテリア的に見せるキッチン的なデザインのモノが増えたこともあり、LDKの中心に鎮座するキッチンもとても素敵です。見せるキッチンにおいてもキッチンであること自体に変わりはありませんので自身のライフスタイルに合わせ、例えば食洗器であったり必要な設備を丁寧に考えていくことは必要になります。

 

 

9.キッチンをオリジナルで製作!

製作のキッチンと言いますととてもとても高額なキッチンを考えてしまうかもしれませんが(そう言った高額になるキッチンもあるし、それを否定する気はありませんが)、それこそ一口に製作キッチンと言ってもライフスタイルにより色々なキッチンが考えられます。

また大工さん、建具屋さん、家具屋さん、製作キッチン専門業者さんと求められるキッチンのデザインと仕様により様々な業者さんが依頼先になりえます。

例えば合板を面材として水栓とシンクと加熱機器だけを取り付けた簡素なキッチンであれば大工さんの製作も可能で(細かくはデザインに拠ります)、ずいぶん安くできたりします(どんな家にもマッチするとは言いませんが)。

 

10.キッチン廻り素材

キッチン本体の調理スペースの部分や扉だけでなく、キッチン廻りの壁や床についても色々考えて頂くととても楽しい自分だけのキッチンが出来るのではないかと思います。

 

キッチンの事例を見る

 

キッチンのレイアウトや仕様が決まったらキッチン周り使う道具など見えてくるモノや飾りの配置について考えていきましょう!

 

➀どんなものをどのくらい置きたいか。

②棚など設置方法について検討。

③色や素材や大きさをなるべく揃えて配置。

④デザインの傾向、色味・大きさを揃える。

⑤フォーカルポイント的なものを考える。

⑥密度と余白を考える。

 

などなど考え出すとキリがないような話になりますが、また今回記載の事を全て網羅するのは難しいにせよ、色々と想いを巡らせ事前にしっかり検討することで、あなたサイズの気持ちの良いご家族・ご友人が集まる美味しい空間(キッチン)が実現できるのではないかと思います。

 

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